今日もまたオギラ先生とキベラスラム食料配布のバウチャーを作りに行ってきた。スーパーマーケットのマネージャーさんも、すっかり手慣れてきて、私たちの配布に合わせてストックの注文をしてくれている。
第一回目配布を合計200世帯に、グループAとグループBに2回に分けて100世帯づつ手配し、各世帯3200円x200世帯の食料配布を行った。
その食料の使用状況の調査も行い、ギリギリ持って3週間だった。
各世帯の家族の人数はまちまちだが、結局は隣近所の人たちとも分けるので、家族人数での増減の調整はしないことにした。
今回はグループAの100世帯への2回目の配布。
主食と油を増やして欲しいとの要望だった。各世帯4100円に増量した。
これですでに合計100万円を超えた。状況は急激に悪化しているので、長期戦の構えで息切れしないように頑張りたい。
近況をオギラ先生に聞いた。
まずは今みんなが一番困ってるのは、4月末に家賃を払えなかった人たちの立ち退き勧告が大家から出ていること。多くの人たちが稼ぎが無く、払えていない。追い出されたらどうしたらいいか途方に暮れる人たちがひっきりなしに相談に来る。
私の電話もパンクしてるが、毎日忙しいのでなかなか電話に出れず、メッセージも見れない。
何しろ、追い出されても、ナイロビロックダウン中なので田舎には移動できない。
知り合いの家に居候させてもらうのがほとんどのパターンだが、どの家も似たり寄ったりだ。
もともと過密な生活空間なだけに、さらに密集度が高くなり心配だ。
さらに先日の若者たちデモについてだが、それにより政府から雇用された800人、清掃仕事は開始したが、そのための道具が提供されていない。手袋も、ドブさらいのための道具も、何も無いのに、やれと言われる。
また、仕事にありつけなかった若者たちが再びデモ。
先週の金曜日にはかなり緊迫した状況になり、ついに催涙弾が投げられた。
解決策は無し。
スラム住民の困窮状態は悪化している。
政府がアナウンスした貧困者への支援、政府による生活費支援や食料配布は、まだキベラスラムでは受け取っていないという。
いつもらえるのかも何の情報も無し。
夜間に商店が襲われる頻度が高くなってきた。
商店に押し入り、食料を奪っていくという。
その上の水不足で、水の値段が高騰。現在、普段の4倍に上がっており、20リットルで20円。高すぎる!
マゴソスクールでは、全国で閉校させられた3/16からもずっと先生やスタッフへの給料は払い続けているが、キベラスラム内の他の学校は、経営者が雲隠れして、連絡しても出ない、給料が払われないという。私が知ってるキベラスラムの高校も全滅だ。先生たちが、これでは生きていけないとデモ。
キベラ地区の地方議員がポケットマネーで先生への食料配布を手配。しかしそれもいつまでも出来るとは思えない。
実際、給水車での水支援は止まってしまった。
キベラスラムではここのところ感染者は出ていない。ということは、キベラスラムの感染者は6人から増えていないと思う。死者はゼロ。
コロナは怖いが、それ以前に、餓死者が出始めるだろうと言うのは偏った報道だけではなく、かなり現実味を帯びてきた。
ヒシヒシと迫ってきたのを感じる。
私たちが行っている食料配布は、スラム全体からしたら焼け石に水、気休めにしかならないのかもしれない。だけど、何もないより、何かがあれば、それがみんなの希望になる。エネルギーも湧いてくる。
渡しているのはマゴソスクールの子どもたちの家庭で、彼らには、絶対に周りの人に言わないで、とお願いしているけど、結局はじわりじわりと知られている。だから、先生やリリアンにはひっきりなしに相談が来る。
そのSOSのすべてに応えることが出来ない。だけど、少しだけでも何かがあるというのは、わずかな希望になる。そして、スラムの人たちは周りの人たちに分けるから、一つの物が、何倍もの価値を生む。食料の量は変わらないはずなのに、何倍もの効果を産んでいるように思う。
先が見えないと不安になり、不安になると迷いが生まれる。私の個人的なチャレンジとしては、そこのところだ。
迷っちゃいけない。先のことを心配したらいけない。いまあるお金を全部使って、いま出来ることをする。いま出来ることを最大限に。
ここのところ毎晩、寝ては覚め、寝ては覚めを繰り返しながら、飛び起きる。を続けていて、頭が回転してるのか停滞してるのかよくわからない。
とにかく、迷いが心の隙間から忍び寄ることだけがイヤだ。そんなときは大丈夫だと心の中で何回も言うようにしている。
そうだ、大丈夫だ!(というのが、リリアンの教え。)
心を痛めすぎたらやるべきことが出来ないからね。淡々とやるのですよ。
こういうことをやりながら、Zoomのトークショーもやり続けるのはなぜかと言うと、この先のより良い世界を構築したいからです。
思いきり何かに取り組んできた人たち、フェアな世の中を作ろうとしている人たち、情熱を伝えてくれる人たち、この世界はこんなに美しいし素晴らしいと伝えてくれる人たち、そんなステキなゲストをお招きして私がお話を聞いていく。
これは、私がお話を聞かせていただくことで、自分自身も気持ちをリセットしたり、勇気が出たりして、よしまた頑張ろうと力をもらえるから。
それを皆さんと共有したいから、参加者募集しています。
こんな(スラムの)現実もあるけど、それでもそこにもあきらめていない人たちがいる。
そうだ、私たちの未来をあきらめちゃいけないのだ。
今日食べるものがない人たちのもとに、今日少しは余裕がある人が食べ物をシェアしよう。
明日のことはわからなくても、明日を信じて今日出来ることをしよう。