皆さん、ケニアの大統領選挙に関して国際ニュースでは不穏な報道がされていますが、それに関して私が個人的に伝えたいことを書きます。

ケニアでの暴動の様子が報道されても、それは多くのケニア国民の真意ではないことを知っていただきたいと、数多くのケニア人の家族や友人たちが言っています。

ケニアの平和と正義を守るために働いている数多くの仲間たちがいます。私の観光業の仕事仲間たちは、このハイシーズンに安全に観光を楽しんでいただけるように細心の注意を払い、情報交換をして、出身部族のいかんにかかわらずに誰もが協力し合ってこの選挙期間中も連携して仕事を続けています。

私の娘はケニアの民放テレビ局で働いていますが、彼女と彼女の仲間たちは昼夜通してスタジオに詰め、扇動なき公正な報道を国民に伝えるために最大の努力をしています。

数多くの一般のケニア国民は、争いたくなんかないし、平穏で平和な通常の生活に一刻も早く戻ることを望んでいます。数多くの問題を抱えている国ではあるけれども、皆で手を取り合ってより良い国づくりをしていくために努力をしています。国際報道を見て、ケニア人全員がこのように暴動を起こし暴れ争うことを望んでいる人間だと思われたくないと、私のケニア人の家族や友人たちは言っています。

また、政治の動きにより、最も翻弄されて傷つき命を失うのは、底辺の貧困層、多くは恵まれない人生状況によりこの社会に夢や希望も持てず仕事もなく、教育を受ける機会も得られなかった無職の若者たちです。そんな若者たちを扇動するような発言が政治家によって繰り返されています。若者たちにむやみに命を失ってほしくないし、何の罪もない一般市民や子どもたち、お母さんたちが、それに巻き込まれて命を失うことがあってほしくないと思います。

今日はこれから昼までにケニアのIEBC(選挙管理委員会)から選挙結果の正式発表がある予定です。

私は、キベラスラムの若者たちに、暴力による手段を取ることは間違っていると、呼びかけています。

8月8日の投票前からキベラスラムでは避難できる田舎がある人々は多くが避難しました。遠縁の親戚を頼ったり、友人知人を頼って、せめて子どもだけは避難させた人々もいます。しかし、どこにも行く場所がない子どもたちが今もキベラスラムには残っています。投票日以降、キベラスラムには食料も流通しなくなり、食料不足と、食料の値段の高騰が起きています。

今回の選挙を誰もが2007年のことと比較して語り報道の際にも必ずそれが付け加えられますが、今はそれから10年がたち、2007年とは同じ時代ではありません。ケニアもかなり進歩しました。報道陣も国民もあの時とは比べ物にならないほど成熟しています。SNSもあります。多くのケニア人が公にも個人的にも平和を呼びかけ、そのための努力をしていることを知ってください。

以下のNHKニュースは、おそらく今日日本の皆さんもテレビで見ただろうと思いますが、「米政府が冷静な対応求める」となっていますが、米政府にそれを求められなくても、ケニア人自身がそのための対応を必死で行っていることも知ってもらいたいと思います。

今日の昼に正式発表がありますが、平和を求めます。そしてケニアに旅行計画をしている方々は、どうか、ケニアに来ることを怖がらず、正しい情報を収集し、ケニアのいまを知りケニアの人々と良き交流をする機会を失わないでください。

皆さん今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170811/k10011096701000.html