3月21日の夜7時に、オギラ先生が交通事故にあい、左足を骨折してしまいました。息子のあーちゃんは一晩中泣き続けたので鼻血が止まらなくなってしまいましたが、翌日オギラ先生の家にお見舞いにいったら、家族3人で元気に笑顔でした。マゴソスクールの子どもたちも放課後にたくさんお見舞いに集まってきました。

事故の経緯はこうです。教会の聖歌隊の活動のあとでバスに乗ってキベラに帰るとき、ランガタロードでバスが止まって乗客をおろしました。そこに交通整理の警察もいたので、安全だと思って降りたそうです。そうすると、目の前にびゅんびゅんと車が通り、危ない!と左足を一歩下げたところ、そこにそれまで乗っていたバスが走りぶつかり、オギラ先生の足を折ってしまったそうです。それで、道路に倒れこんでそのまま動けなくなっていたところ、同じ聖歌隊のメンバーの中でケニアの私立医療機関にお勤めの理学療法士の友人が来てくれて、完全に折れてぶらんぶらんになって別の方向に折れ曲がってしまっていた足を、えいっ!と元の位置に戻して、そのままそこで付き添って救急車を呼んでくれたそうです。

ところが、そこに救急車が向かう途中で、また事故があり、その救急車はその別の事故の患者を乗せていってしまい、別の救急車を呼んだが、またそれも別の患者を乗せていってしまった。

仕方がないので、キベラの私たちが親しいフリパルス診療所のフリーダさんの中古車救急車をお願いし、キベラから迎えに来てもらいました。そのときにはダン先生も到着。

そして、ダン先生の付き添いで、まずはケニヤッタ国立病院へ。しかしケニヤッタ国立病院では、昨年からずっと続いていた医者と看護師のストライキのゴースローがまだ続いていて、恐ろしいほど患者があふれかえり、まったく見てもらえない。これではらちがあかないと、次に私立マサバ病院へ。しかしそこでは、レントゲンの機械が壊れていると言われる。

次に、ナイロビ女性病院へと移動。そこではレントゲンを取ってくれたが、女子病院なので男性用の病棟がないという。

そこでまたそのレントゲンを持ってマサバ病院に戻るものの、そこで対応をするためには30万シリング(約40万円)支払わなければ対応できないと言われて、再びケニヤッタ国立病院へ。

そのときもうオギラとしては、ここでたとえ自分の足が腐ったとしても、これ以上どこにも行く場所はないと思ったらしい。

しかしそこでラッキーだったのは、血友病の息子あーちゃんの度重なる入院と通院によって、ケニヤッタ病院に知り合いがたくさんいたこと。その知り合いが集まってきてくれて、何とか対応してくれることに。

足の先からモモの上まで、ギブスでガッチリ固めて、さぁもう帰っていいですよと言われたときは、午前3時を回っていた。ベッドがなくて入院することはできなかったので、キベラに帰宅。

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レントゲンを見せてもらって驚愕しましたが、左足のすねが、スッパリと、横にまっぷたつにきれいに(?)切断されている。完璧な切断。粉々ではなくて、まるで刀でスパッと切ったかのような、骨がまっすぐ横に切れている状態。

これはとてもラッキーだと言われた。これならきれいにくっつくよと医者が励ましてくれたらしい。

ただ、痛み止めもなく、そのまま横たわって安静にするというスタイルのみで、4週間だそうです。

頭は打たなかったのかとヒヤヒヤしたのですが、とてもラッキーなことに、とっさに左手を下についたので、左手はすっかり打撲で腫れ上がっていましたが、頭や首を打たなかったのは不幸中の幸いでした。

なので、左足が完全固定の状態で、身動きは取れませんが、とにかく口は達者で元気。しかし今後の医療費、どうなるのか!!

近所の人々が次から次へと、そしてマゴソの子どもたちも大量に押しかけて、狭いオギラ先生の部屋が人でいっぱいで熱気むんむん。

それにしても、このままの状態ではトイレにも行けず、あえぐように暑いキベラの長屋の一室で、本当に気の毒なこと・・・。

5月8日の来日までには完治して元気いっぱいで日本に向かうはずですので、皆さんよろしくお願いします。

 

●あーちゃん(4歳)の名言;

「僕は幼稚園で先生に、車は危ないから道を渡るとき気をつけなきゃいけないって教えてもらっていて知っているけど、お父さんは誰にも教えてもらえなくて知らなかったんだね」

 

●それにしても、これは本当に幸運中の幸運と言うよりほかないとつくづく。だって、死んでいてもおかしくありませんでした。交通量の多いランガタロードのT-Mall前での事故でした。もっと複雑骨折とか、もっともっとひどい状態になっていてもおかしくありませんでした。だけど、あの刀でスパッと横に切ったみたいな骨折のレントゲン写真。それを見てみんなビックリ仰天だったし、本当によかった、本当によかったと、言い続けました。

快適な病室は無いですが、暑苦しいスラムの長屋の一室でも、こうして家族がいて、仲間がいて、心配して駆けつけてくれる近所の人々や子供たちがいて、スラムの暮らしってこういうところが本当に人情があってあったかいのだなぁ。

でも、このギブスじゃぁ、大変だよなぁーほんと。

 

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